2014-01-01から1年間の記事一覧

つねに念頭に置いているもの

ラカンは出来事の通常の流れを中断させるものとして無意識を提示しているのだが、無意識をひとつの審級だとは決して考えではない。彼にとっての無意識は、偽りの自己感にもとづく自我のディスクールを中断させるように、意識や主体の関与から引き離されたデ…

運命づけられるということ

盗まれた手紙の話において王妃から盗まれる手紙が持つ物質性と似た、ある種の物質性を担う。登場人物から別の登場人物へと次々に影響を与えるのは、手紙=文字の内容ではなく、手紙が文字にほかならない以上それに内容はない、その物質のようなあるいは対象…